ウェブサイトがあなたを見ている情報とは?VPNで大切なプライバシーを守る仕組みを解説
はじめに
インターネットは私たちの暮らしに欠かせないものとなりました。調べ物をしたり、お買い物をしたり、ご家族やお友達と連絡を取り合ったりと、毎日便利に使っていることと思います。
その一方で、「インターネットで何か見られているんじゃないか」「私の情報がどこかに伝わっているのでは」と、漠然とした不安を感じることはありませんか? 特に、お子さんがインターネットを使うようになり、セキュリティやプライバシーについて気にされる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、あなたがウェブサイトにアクセスするたびに、ウェブサイト側にはあなたの情報の一部が伝わっています。この記事では、ウェブサイトがどんな情報を見ているのか、そしてVPNがどのようにその情報を隠してあなたのプライバシーを守るのかを、分かりやすく解説します。
ウェブサイトが「見ている」あなたの情報とは?
あなたがインターネットを通じて特定のウェブサイトを見ようとするとき、あなたのパソコンやスマートフォンは、そのウェブサイトが置かれている場所(サーバー)に「見たいです」というお願いをしています。このやり取りの中で、いくつかの情報がウェブサイト側に伝わります。
具体的には、次のような情報が見られている可能性があります。
- あなたのインターネット上の住所(IPアドレス) インターネット上の住所のようなもので、これによって「どこからアクセスがあったか」がある程度分かります。お住まいの地域などが特定されることがあります。
- 使っている機器の種類や設定 パソコンなのかスマートフォンなのか、WindowsなのかMacなのか、どのブラウザ(インターネットを見るソフト)を使っているか、画面のサイズはどうかなど、あなたの機器に関する情報です。
- ウェブサイト内での行動 どのページを見たか、どのボタンをクリックしたか、どのくらいそのページにいたか、といった行動の一部が記録されることがあります。これは「クッキー」と呼ばれる仕組みなどが使われます。
- 以前にアクセスしたことがあるか 同じ機器やブラウザで過去にそのサイトを訪れたことがあるかどうかも、クッキーなどで判断されることがあります。
これらの情報すべてが、アクセスしたすべてのウェブサイトに伝わるわけではありませんが、多くの場合、ウェブサイトの運営者はこれらの情報を使って、訪問者がどんな人か、どのようにサイトを使っているかなどを分析しています。
なぜこれらの情報が見られると困るのか?
ウェブサイト側があなたの情報の一部を見ることは、サイトをより使いやすくしたり、あなたの興味に合わせた情報を提供したりするために行われることもあります。しかし、場合によっては次のようなことが起こる可能性もゼロではありません。
- あなたの居場所がある程度特定される IPアドレスから、あなたが今どのあたりからインターネットにアクセスしているのかが分かってしまいます。
- インターネット上での行動を追跡される 複数のウェブサイトをまたいでのあなたの行動が記録され、どんなことに興味があるのか、どんなものを探しているのかなどが分析されることがあります。これにより、いつも見ているサイトとは関係ないところで、あなたの興味に合わせた広告が表示されるようになる、といったことが起こります。
- 個人情報と結びつけられるリスク もしあなたがそのウェブサイトにログインしていたり、何かを購入したりしている場合、これらの閲覧情報とあなたの名前やメールアドレスなどの個人情報が結びつけられてしまう可能性があります。
このように、あなたが意識しないうちに、インターネット上でのあなたの行動や情報が見られて、記録されている可能性があるのです。特に、お子さんのインターネット利用履歴や検索した内容などが意図せず知られてしまうことは、ご家族のプライバシーにとって不安なことかもしれません。
VPNがあなたのプライバシーをどう守るのか
そこで役に立つのがVPNです。VPNは、あなたがインターネットでやり取りする情報を見えないように守ってくれる役割を果たします。
VPNを使うと、あなたのインターネット通信は「トンネル」を通るようなイメージになります。あなたのパソコンやスマートフォンから出た情報は、まずVPNのサーバーという別の場所を経由してインターネットに出ていきます。
この仕組みによって、ウェブサイト側からは、あなたの本当のIPアドレスではなく、VPNサーバーのIPアドレスが見えるようになります。これは、あなたが別の場所にいるかのように見せかけることになります。
また、VPNの「トンネル」の中を通る情報は、暗号化されています。これは、もし途中で誰かにあなたの通信を見られてしまったとしても、何がやり取りされているのかを簡単に読み取れないようにする技術です。たとえるなら、大切な手紙に鍵をかけて封筒に入れるようなものです。
VPNを使うことで「隠せる」情報
VPNを使うことによって、主に次のような情報をウェブサイトや第三者から見えにくくすることができます。
- あなたの本当のIPアドレス(おおよその位置情報) あなたがどこからアクセスしているのかを分かりにくくできます。
- あなたがどのようなウェブサイトにアクセスしているか あなたのインターネット接続を監視している人(例えば、契約しているインターネット回線の会社など)からは、あなたがVPNサーバーと通信していることは分かりますが、その先のどのウェブサイトを見ているのかは分かりにくくなります。
- インターネット上でやり取りしている情報の内容(暗号化による) ログイン情報や入力した個人情報などが、盗み見られるリスクを減らせます。
このように、VPNはあなたのインターネット通信を「見えないトンネル」に通し、まるで別の場所からアクセスしているように見せかけたり、情報のやり取りに鍵をかけたりすることで、あなたのプライバシーを守るお手伝いをしてくれます。
VPNで安心を得るための第一歩
VPNを使ってプライバシーを守ることは、決して難しいことではありません。多くのVPNサービスは、初心者の方でも簡単に使えるように設計されています。
一般的なVPNサービスの使い方は、
- 使いたいVPNサービスを選び、契約する
- パソコンやスマートフォンにVPNサービスのアプリをインストールする
- アプリを起動し、簡単な設定をする(多くの場合、アカウント情報を入力するだけです)
- 「接続」ボタンを押す
これだけで、あなたのインターネット通信はVPNで保護された状態になります。インターネットを使うたびにVPNアプリを起動して接続する習慣をつけるだけで、ウェブサイトに見られているかもしれない情報から、あなたのプライバシーをしっかり守ることができるのです。
まとめ
あなたがウェブサイトにアクセスする際、あなたのIPアドレスや使用している機器の情報、サイト内での行動の一部などが見られている可能性があることをご紹介しました。これらの情報は、場合によってはあなたのプライバシーに関わることもあります。
VPNは、あなたの通信を暗号化し、別の場所を経由させることで、本当のIPアドレスや閲覧内容をウェブサイトや第三者から見えにくくする役割を果たします。これにより、あなたがインターネット上で「見られている」と感じる不安を減らし、ご家族みんなが安心してインターネットを利用するための大きな一歩となります。
ぜひVPNの利用を検討して、ご家庭のインターネット環境に安心をプラスしてください。