VPNがもし急に切れたらどうなるの?知っておきたい危険と対策
はじめに
いつも安心してインターネットを使いたい。特にご家族でインターネットを使う機会が多い方は、セキュリティやプライバシーについて気を配っていらっしゃるかと思います。
VPNは、あなたのインターネット通信を「暗号化されたトンネル」のように保護してくれる便利なものだということは、このサイトでもご紹介してきました。では、もし、このVPNの接続が突然切れてしまったら、一体どうなるのでしょうか。
今回は、VPNが予期せず切れてしまった場合に考えられる危険と、あなたのインターネット接続を安全に保つための対策について、分かりやすく解説します。
VPN接続が切れると何が起こるのでしょうか?
VPNを使っている間は、あなたのインターネット通信はVPNサーバーを経由し、その内容は暗号化によって保護されています。しかし、もしVPN接続が切れてしまうと、それまでVPNによって保護されていた通信が、保護されない「いつもの」状態に戻ってしまいます。
これは例えるなら、雨の日にさしていた傘を急に閉じてしまうようなものです。雨(危険)から身を守ってくれていたものがなくなると、そのままの状態では雨に濡れてしまいます。
インターネットの世界では、VPN接続が切れることで、以下のような状態になる可能性があります。
- あなたのインターネット通信が丸見えになる可能性がある VPNが切れると、あなたがインターネット上でどのような情報を見たり送ったりしているかが、第三者に見えてしまう危険性があります。例えば、アクセスしたウェブサイトのアドレスや、入力した情報の一部などが、インターネット回線の途中で見られてしまう可能性が考えられます。
- あなたの場所(IPアドレス)がわかってしまう 通常、インターネットに接続する際には、あなたのインターネット契約の情報に基づいた「IPアドレス」というものが割り当てられます。VPNを使うと、このIPアドレスをVPNサーバーのものに置き換えて、あなたの本当の場所を隠すことができます。しかし、VPNが切れると、あなたの本当のIPアドレスがあらわになり、どこからインターネットにアクセスしているかが分かってしまう可能性があります。
- 個人情報が危険にさらされる可能性 オンラインショッピングやネットバンキングなど、大切な個人情報を入力する場面でVPNが切れてしまうと、入力中の情報が暗号化されずに送信されてしまう危険性があります。これにより、個人情報が漏洩するリスクが高まる可能性があります。
- 追跡されやすくなる あなたがインターネット上で何を見ているか、どんなことに興味があるかといった情報は、広告目的などで収集されることがあります。VPNは、このような追跡を難しくする役割も持っていますが、接続が切れると、あなたのオンラインでの行動が追跡されやすくなる可能性があります。
このように、VPN接続が切れてしまうと、それまで守られていたあなたのプライバシーやセキュリティが、危険にさらされる状態に戻ってしまうのです。
VPNが切れた時の「もしも」を防ぐための対策:キルスイッチ
VPNサービスの中には、このような「もしも」の事態に備えるための便利な機能があります。それが「キルスイッチ」と呼ばれる機能です。
キルスイッチは、VPN接続が予期せず切れてしまった場合に、あなたのデバイスのインターネット接続を自動的に遮断する機能です。
これは、VPNという「安全なトンネル」が壊れてしまった時に、「じゃあ、トンネルの外に出ないようにしよう」と自動的に通路を塞いでくれるようなイメージです。
キルスイッチ機能があれば、VPNが切れたことにあなたがすぐに気づけなかったとしても、通信が保護されていない状態でインターネットに接続されてしまうことを防ぐことができます。これにより、大切な情報が第三者に見られたり、あなたの場所が特定されたりするリスクを大きく減らすことができます。
キルスイッチ機能を使うには?
キルスイッチ機能は、多くの有料VPNサービスで提供されています。利用方法は、お使いのVPNサービスやデバイスによって異なりますが、一般的にはVPNアプリの設定画面から有効にすることができます。
- お使いのVPNアプリを開く: パソコンやスマートフォンのVPNアプリを起動します。
- 設定(Settings)やオプション(Options)を探す: アプリのメニューの中に、「設定」や歯車のマークなどがあるはずです。
- 「キルスイッチ(Kill Switch)」の項目を探す: 設定メニューの中に、Kill Switch(キルスイッチ)やそれに類する名前の項目があるか確認します。
- 機能をオンにする: キルスイッチの項目を有効(オン)にします。
これで、万が一VPN接続が切断された場合でも、インターネット通信が自動的に停止し、あなたの情報を保護することができます。VPN接続が復旧すれば、自動的にインターネット接続も再開されるのが一般的です。
ただし、キルスイッチが有効になっていると、VPNが繋がらない間はインターネットに全く接続できなくなります。その場合は、VPNアプリを確認し、接続状況を確認するか、キルスイッチを一時的にオフにするなどの対応が必要になります。
まとめ
VPNは家庭のインターネット利用におけるセキュリティやプライバシーを守る上で、とても心強い味方です。しかし、インターネット接続は予期せず不安定になることもあります。
VPN接続が切れてしまった場合、それまでVPNが守ってくれていた通信が無防備な状態に戻り、情報漏洩やプライバシー侵害のリスクが高まる可能性があることを知っておくことは大切です。
そして、多くのVPNサービスが提供している「キルスイッチ」機能は、このような万が一の事態からあなたのインターネット接続を保護するための非常に有効な手段です。
お使いのVPNサービスにキルスイッチ機能があるか確認し、ぜひ有効にしておくことをおすすめします。これにより、たとえVPN接続が切れてしまっても、安心してインターネットを利用するための備えになります。
大切なご家族の情報やプライバシーを守るために、VPNのキルスイッチ機能を活用して、より安全なインターネット環境を整えましょう。