はじめてのVPN

VPNがもし切れても安心!家庭のネットを守る『キルスイッチ』ってなあに?

Tags: VPN, キルスイッチ, セキュリティ, プライバシー, 初心者向け

はじめに

いつも安全なインターネットのためにVPNを使われている方もいらっしゃるかもしれません。VPNを使っていれば、インターネット上の「見えない目」からご家族の情報やプライバシーを守れるので安心ですね。

でも、もしVPNの接続が、予期せず急に切れてしまったらどうなるのだろう?と少し不安に感じることがあるかもしれません。

インターネットを使っている途中でVPNが切れてしまうと、それまで守られていた通信が、突然、誰かに見られる可能性がある状態に戻ってしまいます。特に、個人情報の入力や、お子様がインターネットを使っている時などにこれが起こると、心配になってしまいますよね。

実は、多くのVPNサービスには、このような「もしもの時」にあなたの情報が漏れないように守ってくれる、とても大切な機能があります。それが『キルスイッチ』と呼ばれる機能です。

この記事では、この『キルスイッチ』が一体どんな機能なのか、なぜ家庭のインターネット利用で大切なのかを、初心者の方にも分かりやすくご説明します。

『キルスイッチ』ってなあに?

『キルスイッチ』は、例えるなら「インターネットへの安全弁」のようなものです。

通常、VPNを使うときは、あなたのパソコンやスマートフォンからインターネットまでの通信が、VPNという「特別な安全なトンネル」を通ります。キルスイッチは、この「安全なトンネル」が、何らかの理由で突然途切れてしまった時に働きます。

キルスイッチがオンになっていると、「トンネル」が途切れた瞬間に、あなたのインターネット接続自体を一時的に止めてくれるのです。これは、安全なトンネルを通らないまま情報が外に流れ出してしまうのを防ぐためです。

つまり、キルスイッチは「VPN接続が切れたら、通信を完全に止めることで、大切な情報がうっかり漏れてしまうのを防ぐ機能」だと言えます。

なぜキルスイッチが必要なの?

VPN接続は、通信環境の不安定さや、VPNサービス側の問題など、いくつかの理由で予期せず切れてしまうことがあります。

もし、キルスイッチがない状態でVPNが切れてしまうと、どうなるでしょうか。

  1. あなたの本当の場所(IPアドレス)が分かってしまう可能性があります。 VPNを使っている間は、あなたのインターネット上の住所であるIPアドレスはVPNサーバーのものに置き換えられています。しかし、VPNが切れると、元の自宅のIPアドレスに戻ってしまい、あなたがどこからインターネットにアクセスしているかが分かってしまうことがあります。

  2. 通信内容が暗号化されずに送られてしまう可能性があります。 VPNの最も大切な役割の一つは、あなたの通信内容を「暗号化」して、途中で誰かにのぞき見されても分からないようにすることです。VPNが切れると、この暗号化も解除されてしまいます。もし、その瞬間にオンラインバンキングにログインしようとしたり、個人情報を入力したりしていたら、その情報が暗号化されないままインターネット上を流れてしまう危険性があります。

このような状況は、特に小さなお子様がインターネットを使っている時に起こると、有害な情報に触れてしまったり、誤って個人情報を入力してしまったりするリスクを高める可能性があります。

キルスイッチは、このような「一瞬の無防備な状態」を防ぎ、あなたの、そしてご家族のプライバシーや大切な情報をしっかりと守るためにとても重要な機能なのです。

キルスイッチはどこにあるの?どうやって使うの?

多くの信頼できるVPNサービスでは、キルスイッチ機能が標準で備わっています。

通常、キルスイッチはVPNアプリやソフトウェアの「設定」や「詳細設定」のような画面の中にあります。「キルスイッチ」「Kill Switch」といった名前で見つけることができるでしょう。

使い方はとても簡単です。設定画面の中でキルスイッチの項目を見つけ、「オンにする」というボタンやチェックボックスをクリック(タップ)するだけで有効になります。

一度設定してしまえば、あとはVPNが予期せず切れた時に、キルスイッチが自動的に働いてくれます。難しい操作は必要ありません。

もし、お使いのVPNサービスにキルスイッチ機能があるか分からない場合は、VPNサービスの公式サイトやヘルプページで確認してみてください。

キルスイッチ利用上の注意点

キルスイッチをオンにしている場合、もしVPNの接続が切れてしまうと、インターネットに一時的につながらなくなります。これは、情報を守るためにキルスイッチが意図的に通信を遮断しているためです。

「あれ?急にインターネットが見られなくなったな?」と感じたら、VPNの接続が切れていないか確認してみてください。そして、VPNに再度接続し直せば、またインターネットが使えるようになります。

これは、キルスイッチが正しく働いているサインなので、驚かずに落ち着いて対処してください。

まとめ

インターネットを安全に使うためにVPNはとても頼りになるツールです。そして、『キルスイッチ』機能は、そのVPNの安全性をさらに高めてくれる、いわば「二重の安心」を提供してくれる機能です。

キルスイッチをオンにしておくことで、万が一VPNの接続が不安定になったり、切れてしまったりしても、あなたのプライバシーや大切な情報がインターネット上に漏れ出すことを防ぐことができます。

設定はとても簡単です。もしお使いのVPNサービスにキルスイッチ機能があるなら、ぜひオンにしておくことをお勧めします。

この小さな設定一つで、ご家庭でのインターネット利用がさらに安心して、快適なものになるはずです。ぜひ、できることから始めてみてください。