はじめてのVPN

あなたのインターネット、VPNで『どこから見ているか』を隠すってどういうこと?安心のためのポイント

Tags: VPN, プライバシー, セキュリティ, インターネット, IPアドレス

はじめに

日頃からインターネットを使って情報を調べたり、お買い物をしたり、ご家族と連絡を取り合ったりしていることと思います。インターネットはとても便利ですが、「自分がどこからアクセスしているか、誰かに知られていないかしら?」「プライベートな情報が見られていないか心配」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

実は、あなたがインターネットに接続する際には、あなたの「居場所」を示すような情報が、アクセス先のウェブサイトなどに自動的に送られています。VPNを使うと、この「どこからアクセスしているか」という情報を隠すことができるのです。

この記事では、VPNを使うとインターネット上のあなたの「居場所」がどのように変わるのか、そしてそれがなぜ家庭でのインターネット利用の安心につながるのかを、分かりやすくご説明します。

インターネットの世界で「どこから見ているか」はどう決まる?

インターネットに接続されているすべての機器には、「IPアドレス」というものが割り当てられています。例えるなら、IPアドレスはインターネット上の「住所」のようなものです。

あなたがウェブサイトを見たり、サービスを使ったりする際には、このIPアドレスが相手に伝わります。ウェブサイトの運営者やインターネットサービスを提供している会社は、このIPアドレスから、あなたがどのインターネット回線を使っているか、そして大まかにどの地域からアクセスしているのかを知ることができます。

この情報自体は、インターネットをスムーズに利用するために必要なものですが、常にあなたのアクセス元が分かってしまう状況は、プライバシーの面で気になることがあるかもしれません。特に、お子様がインターネットを使う際に、どこからアクセスしているかという情報から行動を追跡されたりしないか、ご心配な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

VPNを使うと、あなたの「居場所」はどう変わるの?

そこでVPNが登場します。VPN(Virtual Private Network)は、「仮想プライベートネットワーク」と呼ばれ、あなたのインターネット通信を特別な「トンネル」のようなもので包み込み、安全に送受信する仕組みです。

VPNを使わずにインターネットにアクセスする場合、あなたの機器(パソコンやスマホ)から直接ウェブサイトなどに通信が届きます。その際、あなたのIPアドレス(インターネット上の住所)がそのまま相手に伝わります。

しかし、VPNをオンにしてからインターネットにアクセスすると、あなたの通信はいったんVPNサービスのサーバーを経由してインターネットに出ていくことになります。すると、アクセス先のウェブサイトなどから見ると、通信はあなたのIPアドレスからではなく、経由したVPNサーバーのIPアドレスから送られてきたように見えます。

つまり、VPNを使うことで、あなたの本当のIPアドレスや大まかな居場所がインターネット上に直接表示されなくなるのです。まるで、誰かに頼んで別の場所からメッセージを送ってもらうようなイメージです。

「居場所」が隠れることで、どんないいことがあるの?

VPNを使ってインターネット上の「居場所」を隠すことには、家庭でのインターネット利用において、いくつかの大きな安心ポイントがあります。

このように、VPNを使ってインターネット上の「どこから見ているか」を隠すことは、あなたのプライバシーや個人情報を保護し、より安心してインターネットを利用するための大切な一歩となるのです。

VPN利用中に「場所」が変わることで、知っておくべきこと・注意点

VPNをオンにすると、インターネット上でのあなたの「居場所」が見かけ上、VPNサーバーの場所になります。これはプライバシー保護に役立つ仕組みですが、日常生活の中で少しだけ「あれ?」と思うことがあるかもしれません。

例えば、VPNサーバーが日本の別の地域にある場合、ウェブサイトで表示される天気予報がその地域の情報になったり、特定の地域限定のサービスやキャンペーンが表示されたりすることがあります。また、VPNサーバーが海外にある場合は、表示される言語が変わったり、アクセスできないサイトが出てきたりすることもあります。

これは、VPNが正しく機能し、あなたの本当の場所を隠している証拠でもあります。もし、元の場所に基づく情報(お住まいの地域の天気など)を見たい場合は、一時的にVPNを切断するか、利用しているVPNサービスで日本の自宅に近い地域のサーバーを選択し直すことで解決できます。

VPNはあなたの「大まかな居場所」を隠すのに役立ちますが、インターネット上の全ての情報を隠すわけではありません。例えば、ウェブサイトであなたが入力した氏名や住所、メールアドレスなどは、そのウェブサイトには伝わります。VPNはあくまで通信経路を保護し、アクセス元の情報を隠すためのもの、という点を理解しておくことが大切です。

まとめ

インターネットは私たちの生活に欠かせないものとなりましたが、同時に「見えない危険」も存在します。あなたがインターネット上で「どこからアクセスしているか」という情報も、使い方によってはプライバシーや個人情報に関わる可能性があります。

VPNを使うことで、あなたのインターネット通信は安全なトンネルを通って送られ、アクセス先のウェブサイトなどからはVPNサーバーの場所から来ているように見えます。これにより、あなたの本当の居場所が隠され、プライバシーや個人情報が保護される助けになります。

天気予報がいつもと違う場所になったり、といった小さな変化に気づくこともあるかもしれませんが、それはVPNがあなたを守ってくれているサインでもあります。難しく考えすぎず、まずはVPNの基本的な役割を理解し、家庭でのインターネット利用の安心感を高めるための一歩として活用してみてください。