スマホでインターネット。あなたの「見えない情報」、VPNはどう守る?
はじめに
今やスマートフォンは、私たちの生活に欠かせないものとなりました。インターネットを使って調べ物をしたり、SNSで交流したり、オンラインショッピングを楽しんだり。手軽にいつでも情報にアクセスできる便利な存在です。
一方で、「インターネットを使っている時、自分の見ているものや入力している情報が誰かに見られているんじゃないか」「自分がどこからアクセスしているのか知られているのかしら」といった、漠然とした不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に、お子様もスマートフォンを使うようになると、こうした不安はさらに大きくなることもあるかと思います。
インターネット上には、私たちの知らない間に集められている「見えない情報」がたくさんあります。この記事では、その「見えない情報」とはどんなものなのか、そして、VPNがどのようにしてあなたのスマートフォンでのインターネット利用におけるプライバシーを守るのかを、分かりやすく解説します。
スマホでインターネット、どんな情報が見られているの?
私たちがスマートフォンでインターネットを使うとき、様々な情報がやり取りされています。例えば、
- どんなウェブサイトを見たか
- 何を検索したか
- ウェブサイトで何を入力したか(名前、住所、メールアドレスなど)
- どこからインターネットにアクセスしているか(だいたいの場所)
- どんなスマートフォンを使っているか
こうした情報は、インターネットサービスを提供している会社や、訪れたウェブサイトの運営者など、様々な場所で見られたり、記録されたりする可能性があります。
さらに、インターネット上では、あなたの行動履歴などから「あなたに興味がありそうなこと」を予測して、関連する広告を表示させたり、あなたに合わせた情報を見せたりすることが行われています。これは便利な面もある一方で、「いつも見られている気がする」「行動を追跡されているようで気持ちが悪い」と感じる原因にもなります。
こうした、インターネットを利用する中で発生し、自分では意識しにくいけれど第三者に見られたり利用されたりする可能性のある情報が、ここで言う「見えない情報」の一つです。
VPNがあなたの「見えない情報」をどう守るのか
それでは、VPNを使うと、スマートフォンのインターネット利用で、こうした「見えない情報」をどのように保護できるのでしょうか?
VPN(Virtual Private Network)は、「仮想プライベートネットワーク」と呼ばれ、あなたのスマートフォンとインターネットの間に、他人からは見えない「安全なトンネル」を作るイメージです。
このトンネルを通るあなたのインターネット通信は、「暗号化(あんごうか)」という特別な処理が施されます。暗号化されると、もし途中で誰かにあなたの通信データを見られても、内容がぐちゃぐちゃになっていて、何がやり取りされているのかを簡単には読み取ることができなくなります。
VPNを使うことで、主に以下の2つの方法であなたの「見えない情報」を守ります。
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通信内容を隠す: VPNの暗号化によって、あなたが「どのサイトを見ているか」「どんな情報を入力しているか」といった、あなたのインターネット通信の内容が、第三者からは見えにくくなります。これは、自宅のインターネット回線を提供している会社や、カフェなどの公共Wi-Fiの提供者など、あなたがインターネットに接続するために経由する場所からの「のぞき見」を防ぐのに役立ちます。
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「どこから見ているか」を隠す: インターネットに接続する際には、「IPアドレス」というインターネット上の住所のようなものが割り当てられます。このIPアドレスから、おおよその接続場所が分かってしまうことがあります。 VPNを使うと、あなたのスマートフォンのIPアドレスではなく、VPNサーバーのIPアドレスを使ってインターネットにアクセスすることになります。これにより、あなたが「どこからインターネットを見ているか」という情報が隠され、あなたの実際の居場所に基づいた追跡などが難しくなります。
このように、VPNはあなたのインターネット通信に「見えない壁」を作り、通信内容や場所といった大切な情報が第三者に見られにくくすることで、プライバシー保護に役立ちます。
スマホでVPNを使うための「はじめの一歩」
「VPNを使う」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、スマートフォンの場合はとても簡単に始めることができます。
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VPNサービスの選択: まずは、信頼できるVPNサービスを選びます。無料のサービスもありますが、プライバシー保護の観点からは、セキュリティがしっかりしていて、サポートも充実している有料サービスを選ぶのがおすすめです。(詳しいサービスの選び方については、他の記事でも解説していますので、そちらも参考にしてみてください。)
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アプリのインストール: 選んだVPNサービスのスマートフォン用アプリを、App Store(iPhoneなど)やGoogle Playストア(Android)からダウンロードしてインストールします。
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設定と接続: アプリを開き、サービスから提供されたアカウント情報などでログインします。多くの場合、ログインすればすぐに「接続」や「オンにする」といったボタンが表示されます。そのボタンをタップするだけで、VPN接続が開始されます。
これだけで、あなたのスマートフォンのインターネット通信はVPNの安全なトンネルを通るようになります。複雑なネットワーク設定をする必要はほとんどありません。
スマホでVPNを使う時のヒント
- 公共Wi-Fiでは必ずオンに: カフェ、ホテル、駅などの公共Wi-Fiは、セキュリティが弱い場合があります。VPNをオンにすることで、通信内容の盗み見を防ぎ、安心してインターネットを利用できます。
- 普段使いでもオンにしておく: 自宅のWi-Fiやスマートフォンのモバイル通信(4G/5G)でも、VPNをオンにしておくことで、あなたのプライバシーを保護し、インターネット回線を提供する会社などから通信内容が見えにくくなります。常にオンにしておくことで、切り替えの手間も省けます。
- VPN接続を確認する: VPNアプリを開いたり、スマートフォンの画面上部に表示されるマーク(鍵のマークなど)で、VPNが正しく接続されているか確認する習慣をつけましょう。
まとめ
スマートフォンでのインターネット利用はとても便利ですが、あなたの意図しないところで「見えない情報」が見られたり、集められたりしている可能性があります。これは、プライバシーの観点から不安を感じる原因になることがあります。
VPNは、あなたのスマートフォンのインターネット通信を暗号化し、IPアドレスを隠すことで、こうした「見えない情報」が第三者に見られにくくする強力なツールです。専門的な知識がなくても、スマートフォンのアプリを使えば簡単に導入できます。
VPNを上手に活用することは、あなた自身はもちろん、大切なお子様のインターネット利用における安心感を高めることにもつながります。今日からVPNをあなたのスマートフォンの「お守り」として使い始めてみませんか。