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家庭のインターネットで「見られているかも?」大切な情報を守るVPNのヒント

Tags: VPN入門, 家庭向けVPN, プライバシー保護, セキュリティ対策, 個人情報保護, インターネット安全

家庭のインターネットで「見られているかも?」大切な情報を守るVPNのヒント

インターネットは私たちの生活に欠かせないものとなりました。調べ物をしたり、SNSで家族や友人と繋がったり、オンラインで買い物をしたり。とても便利で楽しいものですが、「自分の見ているサイトや入力した情報が誰かに見られていないか、ちょっと心配…」と感じることはありませんか?

特に、お子様がインターネットを使うようになると、セキュリティやプライバシーについて、漠然とした不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。自宅のインターネット環境は安全だと思っていても、実は知らない間に、あなたの「大切な情報」が見られてしまう可能性があります。

この記事では、家庭のインターネット利用で見られがちな情報とはどのようなものか、そして、VPNがどのようにその大切な情報を守ってくれるのかを、初心者の方にも分かりやすく解説します。

あなたのインターネット利用、こんな情報が見られているかもしれません

自宅のインターネットでも「見られている」と聞くと、少し驚かれるかもしれません。具体的に、どのような情報が見られる可能性があるのでしょうか。

インターネットを利用する時、あなたのパソコンやスマートフォンは、インターネットの入り口となっている「インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)」という会社を通して、世界中のウェブサイトやサービスに繋がります。このプロバイダは、あなたが「いつ、どこからインターネットにアクセスしたか」という情報を持っています。

さらに、あなたがどんなウェブサイトを見たか(閲覧履歴)や、どんな言葉で検索をしたか(検索履歴)といった情報も、あなたのインターネット通信の経路によっては、プロバイダや、アクセスしたウェブサイトの運営者などに見られる可能性があります。

例えば、

これらの情報は、あなたの知らない間に集められ、ターゲティング広告に使われたり、場合によっては悪意のある第三者に悪用されたりするリスクがゼロではありません。自宅のWi-Fiだからといって、これらの情報が完全に守られているわけではないのです。

VPNが「見られているかも?」という不安をどう和らげるか

そこで登場するのがVPN(Virtual Private Network)です。VPNは、あなたのインターネット通信を「トンネル」のような安全な通り道に通すことで、外部からのぞき見を防ぎ、大切な情報を守るお手伝いをしてくれます。

VPNを使うことで、主に次の2つの方法であなたの情報が見られにくくなります。

1. インターネット通信全体を「暗号化」する

VPNを使うと、あなたのパソコンやスマートフォンからインターネットに出ていく通信が、まるごと「暗号化」されます。暗号化とは、データをバラバラにして、正しい「鍵」がないと読めないようにすることです。

例えるなら、普通の手紙(暗号化されていない通信)をポストに入れると、郵便局の人や途中の誰かに読まれてしまう可能性があります。しかし、VPNを使うと、手紙を頑丈なカギ付きの箱(暗号化)に入れて、特別な郵便ルート(VPNトンネル)で送るようなものです。途中で箱を見られても、鍵がなければ中身(あなたのデータ)を読むことはできません。

これにより、あなたのインターネット通信がプロバイダや第三者から覗き見られるリスクを大幅に減らすことができます。あなたが「どんなサイトを見ているか」「どんな情報を送受信しているか」といった内容が、暗号化によって守られるのです。

2. あなたのインターネット上の「住所」(IPアドレス)を隠す

インターネット上のあなたのパソコンやスマートフォンの「住所」のようなものをIPアドレスと呼びます。通常、このIPアドレスはあなたがインターネットに接続している場所(自宅など)と紐付いています。

VPNを使うと、あなたの通信は一度VPNサービスが用意したサーバーを経由してからインターネットに出ていきます。このとき、外部から見えるIPアドレスは、VPNサーバーのある場所のものになります。あなたの自宅のIPアドレスは隠される形になります。

これにより、あなたがどんなウェブサイトを見たか、どんな検索をしたかといった情報と、「あなたの自宅」という場所が直接結びつきにくくなります。インターネットの「見えない目」から、あなたの「どこからアクセスしているか」という情報を隠すことができるのです。

家庭のインターネット利用でVPNを活用するヒント

家庭でVPNを導入し、大切な情報を守るために、いくつか活用する上でのヒントをご紹介します。

家族みんなが使うデバイスに設定する

お子様のスマートフォンやタブレット、ご主人のパソコンなど、家族それぞれがインターネットを使うデバイス全てにVPNを設定することが大切です。一つでも設定されていないデバイスがあると、そこからの通信は保護されません。

公共のWi-Fiを使うときは必ずオンにする

自宅以外でインターネットを使う機会もあるかと思います。特に、カフェや駅、空港などの公共の場所で提供されている無料Wi-Fiは、セキュリティ対策が十分でない場合があり、通信が覗き見られる危険性が高まります。公共Wi-Fiを利用する際は、必ずVPNをオンにしてからインターネットに接続するようにしましょう。

可能であれば常にオンにしておく

家庭内での利用でも、常にVPNをオンにしておくのが最も安心です。うっかりVPNをオフにしたまま利用してしまう、といったことを防ぐことができます。VPNサービスによっては、デバイスの電源を入れたら自動的にVPNに接続する設定も可能です。

VPNは難しくありません

VPNと聞くと、技術的な設定が必要で難しそう…と思われるかもしれませんが、多くのVPNサービスは、スマートフォンやパソコンに専用のアプリをインストールして、ボタンを一つ押すだけで接続できるようになっています。初心者の方でも簡単に使い始められますので、ご安心ください。

安心してインターネットを利用するために

VPNは、家庭のインターネット利用における「見られているかも?」という不安を和らげ、大切な情報を守るためのとても有効な手段です。あなたの閲覧履歴や検索履歴、インターネットにアクセスした場所といった情報が、知らない間に悪用されるリスクを減らすことができます。

もちろん、VPNだけですべてのインターネットの脅威から完全に身を守れるわけではありません。ウイルス対策ソフトを入れる、不審なメールやウェブサイトには注意するといった基本的な対策も引き続き重要です。

しかし、VPNを導入することは、ご自身やご家族が安心してインターネットを利用するための、大切な第一歩となります。難しく考えず、まずはVPNの仕組みを知り、自分に合ったサービスを探してみることから始めてみてはいかがでしょうか。安全なインターネット環境で、便利なオンラインライフを楽しんでください。