安全なネットはどっち?無料VPNと有料VPNの違いを分かりやすく解説
はじめに
ご自宅でインターネットを使う時間が増えている方も多いのではないでしょうか。お子さんがゲームをしたり、動画を見たり、あるいはご自身でオンラインショッピングや調べ物をしたりと、インターネットは暮らしに欠かせないものとなっています。
そんな中、インターネットの「安全性」について不安を感じることもあるかもしれません。個人情報が漏れてしまわないか、お子さんが危険なサイトを見てしまわないかなど、心配は尽きないかと思います。
こうしたインターネットの不安を和らげる手段として、「VPN」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。そして、VPNには「無料」で使えるものと「有料」のものがあることをご存知でしょうか。
この記事では、初めてVPNを知った方や、無料VPNと有料VPNのどちらを選べば良いか迷っている方向けに、それぞれの違いと、ご家庭でインターネットを安全に使うためにはどちらが良いのかを、分かりやすく解説していきます。
VPNの基本的な役割をおさらい
まず、なぜVPNがインターネットを安全に使うための方法として注目されるのか、その基本的な仕組みを簡単におさらいしましょう。
インターネットを使うとき、通常はご自宅のインターネット回線から直接、見たいウェブサイトやサービスにアクセスします。このとき、あなたのインターネットの接続元(IPアドレスといいます)や、どんなサイトを見ているかといった情報は、技術的には通信の途中でのぞき見されたり、記録されたりする可能性があります。
VPNを使うと、あなたのインターネットの通信は、まずVPN事業者のサーバーを経由するようになります。このとき、通信の内容は暗号化(秘密のコードに変換)され、トンネルの中を通るように安全に送られます。また、アクセス先のウェブサイトからは、あなたのIPアドレスではなく、VPN事業者のサーバーのIPアドレスが見えるようになります。
これにより、通信内容を他の人に見られるリスクを減らし、あなたのいる場所や使っているインターネット回線を特定されにくくすることができるのです。
無料VPNに潜む注意点
無料でVPNが使えると聞くと、とても魅力的に感じますよね。でも、無料でサービスを提供するには、何らかの理由があることが多いものです。無料VPNには、いくつかの注意点があります。
なぜ無料で提供できるの?
無料VPNの運営者は、サーバーの維持費や開発にかかる費用を、別の方法でまかなっている場合があります。例えば、以下のような形で収益を得ている可能性があります。
- 広告の表示: VPNの利用中に広告を表示する。
- ユーザーデータの収集・販売: あなたがどんなサイトを見たか、どんな情報をやり取りしたかといったデータを収集し、第三者に販売することで収益を得ているという可能性も指摘されています。
無料VPNに潜むリスク
データ収集・販売の可能性に加え、無料VPNはセキュリティや使いやすさの面で有料VPNに劣ることが少なくありません。
- セキュリティの弱さ: 暗号化のレベルが低かったり、最新のセキュリティ対策がされていなかったりする場合があります。これでは、せっかくVPNを使っても安全性が不十分になってしまう可能性があります。
- 通信速度の遅さ・不安定さ: 利用者が多すぎるのにサーバーの数が少なかったり、品質が低かったりすると、通信速度が非常に遅くなったり、接続が頻繁に切れたりすることがあります。動画を見たり、オンラインゲームをしたりするには不便を感じやすいでしょう。
- 通信量や時間の制限: 無料版では、月に使えるデータ量に上限があったり、一度に接続できる時間に制限があったりすることが一般的です。家族みんなで使ったり、長時間インターネットを使ったりするには向かない場合があります。
- 「ログ」を記録している可能性: VPN事業者があなたの通信記録(いつ、どこに接続したか、どんなデータ量を使ったかなど)を「ログ」として記録している場合があります。「ノーログポリシー」を掲げる信頼できる有料VPNと比べて、プライバシーの保護という点で不安が残ります。
特にご家庭でお子さんもインターネットを使う場合、無料VPNの中には安全性が不確かであったり、プライバシーが十分に守られない可能性があるものがあるという点に注意が必要です。
有料VPNの仕組みとメリット
次に、費用はかかりますが、有料VPNを利用することのメリットを見ていきましょう。
費用がかかる理由
有料VPN事業者は、利用者が支払う料金を元に、以下のようなサービスの維持・向上を行っています。
- 高品質なサーバーの運用: 世界中に多くのサーバーを設置し、高速で安定した通信を提供するための設備投資やメンテナンスを行います。
- セキュリティ技術の研究・開発: 最新の暗号化技術を取り入れたり、新たな脅威に対応するための技術開発を行います。
- 手厚いカスタマーサポート: 利用者が困ったときにサポートを受けられる体制を整えています。
有料VPNのメリット
費用を払うことで得られる主なメリットは以下の通りです。
- 高いセキュリティ: 最新かつ強固な暗号化技術を使用しているサービスが多く、通信内容をしっかりと保護してくれます。
- 高速で安定した通信: 十分な数の高品質なサーバーを運用しているため、速度制限や接続の不安定さに悩まされることが少なくなります。家族みんなが同時にインターネットを使っても快適に利用しやすいでしょう。
- 「ノーログポリシー」によるプライバシー保護: 多くの信頼できる有料VPNは、利用者の通信ログを一切記録しない「ノーログポリシー」を掲げています。これにより、誰がいつ、どんなサイトを見たかといった情報が事業者に残らないため、プライバシーが強力に保護されます。
- 豊富なサーバー数と場所: 世界中に数多くのサーバーがあるため、接続先を選びやすく、海外のサービスを利用したい場合などにも便利です。
- 充実したサポート: 設定方法で困ったときやトラブルが起きたときなど、メールやチャットでサポートを受けられるサービスが多いです。初心者の方でも安心して利用を開始しやすいでしょう。
家庭で使うなら有料VPNがおすすめな理由
これまでの点を踏まえると、ご家庭でインターネットのセキュリティやプライバシーをしっかり守りたい場合には、有料VPNを選ぶのがおすすめです。
お子さんのインターネット利用状況が第三者に知られたり、ご家族の個人情報が流出したりするリスクは、可能な限り避けたいものです。有料VPNの高いセキュリティとノーログポリシーは、こうした不安を大きく軽減してくれます。
また、家族みんなが同時に快適にインターネットを使うためには、通信速度と安定性が重要です。有料VPNであれば、そうした使い勝手の面でも満足できる可能性が高いでしょう。
確かに費用はかかりますが、月々コーヒー1杯分程度の料金で、ご家族みんなのインターネットの安全と安心を買えると考えれば、決して高すぎるものではないかもしれません。
VPNを選ぶ際のポイント
有料VPNを選ぶ場合でも、いくつかのサービスがありますので、ご自身に合ったものを選ぶことが大切です。選ぶ際の基本的なポイントをいくつかご紹介します。
- 信頼性: 運営会社が信頼できるか、口コミや評判は良いかなどを確認してみましょう。
- ノーログポリシー: 本当に通信ログを記録しないポリシーを掲げているかを確認しましょう。
- セキュリティレベル: どのような暗号化方式を使っているか、最新のセキュリティ対策がされているかなども選ぶ上での参考になります。
- 日本語でのサポート: 設定や利用で困ったときに、日本語で問い合わせできるサポート体制があるかどうかも、初心者の方には重要なポイントです。
特定のサービスを推奨することはこの記事では避けますが、これらの点を参考に、いくつかのサービスを比較検討してみるのが良いでしょう。多くの有料VPNサービスには、お試し期間や返金保証がついていますので、実際に使ってみて、ご家庭の環境に合っているかを確認するのも良い方法です。
まとめ
インターネットは私たちの生活を豊かにしてくれますが、同時にセキュリティやプライバシーに関する不安も抱かせることがあります。特に、お子さんがインターネットを使う機会が増えているご家庭では、その不安はより大きくなるかもしれません。
VPNは、あなたのインターネット通信を暗号化し、プライバシーを守るための有効な手段です。そして、無料VPNと有料VPNには、セキュリティの高さ、通信の安定性、そして何よりもプライバシー保護の面で大きな違いがあります。
ご家庭で安心してインターネットを利用するためには、多少の費用はかかっても、セキュリティとプライバシーがしっかりと保護され、通信も安定している有料VPNを選ぶのが、賢明な選択と言えるでしょう。
この記事が、あなたのインターネット利用における不安を和らげ、VPN選びの参考になれば幸いです。ご家族みんなで、安全で快適なインターネットライフを送ってください。