パソコンもスマホもタブレットも!家族みんなのデバイスにVPNを設定する方法
はじめに
私たちの身の回りには、たくさんのインターネットにつながるデバイスがありますね。パソコンで調べ物をしたり、スマートフォンでSNSを見たり、タブレットでお子さんが動画を見たりと、家族それぞれが色々なデバイスでインターネットを利用していることと思います。
たくさんのデバイスでインターネットが使えるのはとても便利ですが、それぞれが安全に利用できているか、少し心配になることはありませんでしょうか。たとえば、外出先で無料のWi-Fiを使うときや、お子さんが使うタブレットからの情報漏洩などが気になるかもしれません。
そこで今回ご紹介するのが、VPNという仕組みを、家庭にある様々なデバイスで使う方法です。VPNを使うと、パソコンでもスマホでもタブレットでも、インターネット通信をしっかりと保護することができます。
この記事では、なぜ複数のデバイスでVPNを使うことが大切なのか、そしてそれぞれのデバイスでどのようにVPNを設定すれば良いのかを、分かりやすく解説していきます。
なぜ複数のデバイスでVPNを使うのが大切なのでしょうか?
家庭には、デスクトップパソコン、ノートパソコン、家族それぞれのスマートフォン、そしてタブレットなど、様々な種類のデバイスがあるのが一般的ですね。これらのデバイスは、家の中だけでなく、学校や職場、カフェなど、様々な場所でインターネットに接続されます。
インターネットにつながる場所によっては、通信が保護されておらず、あなたが送受信している情報(パスワードやクレジットカード情報、個人的なやり取りなど)が、悪意のある第三者に見られてしまう危険性があります。特に、誰でも自由に使える公共のWi-Fiなどは、注意が必要な場所と言えます。
また、お子さんが使うデバイスも、インターネット上には不適切な情報や、個人情報を抜き取ろうとする危険なウェブサイトが存在するため、しっかりと守ってあげたいものです。
VPNは、このような危険からあなたのインターネット通信を守るための強力なツールです。VPNを使うと、インターネット上に仮想の「専用トンネル」を作り、その中をデータが通るため、他の人から通信内容を見られないようにすることができます。
多くのVPNサービスは、一つの契約で複数のデバイスにVPNを設定できるようになっています。そのため、家族みんなが使うパソコン、スマートフォン、タブレットといった様々なデバイス全てにVPNを設定することで、家の中だけでなく、外出先でのインターネット利用も含めて、家族全体のインターネットの安全とプライバシーを守ることができるのです。
デバイス別VPN設定の基本
では、具体的にどのようにして家庭の様々なデバイスにVPNを設定すれば良いのでしょうか。基本的な流れはどのデバイスでも似ていますので、安心してください。ここでは一般的な手順をご紹介します。
ステップ1:VPNサービスを選び、契約する
まず、利用したいVPNサービスを選びます。複数のデバイスで使いたい場合は、契約プランが何台までのデバイスに対応しているかを確認しておきましょう。多くの有料VPNサービスでは、同時に5台から10台程度のデバイスで接続できるプランが用意されています。
ステップ2:各デバイスにVPNアプリ(ソフトウェア)をダウンロードし、インストールする
選んだVPNサービスのウェブサイトにアクセスするか、各デバイスのアプリストア(iPhoneやiPadならApp Store、AndroidスマホやタブレットならGoogle Playストアなど)から、そのサービスの公式アプリをダウンロードします。
- パソコン(WindowsやMac)の場合: VPNサービスのウェブサイトから専用ソフトウェアをダウンロードして、画面の指示に従ってインストールします。
- スマートフォンやタブレット(iPhone, iPad, Android)の場合: 各デバイスのアプリストアでVPNサービス名を検索し、公式アプリを見つけてインストールします。
ステップ3:VPNアプリを起動し、アカウント情報を入力してログインする
インストールが終わったら、VPNアプリを起動します。契約時に作成したアカウントのユーザー名(またはメールアドレス)とパスワードを入力してログインします。
ステップ4:VPNに接続する
ログインが完了すると、アプリの画面が表示されます。通常は、接続したい国や地域を選ぶ画面や、「接続」「ONにする」といったボタンが表示されます。
特にこだわりがなければ、アプリが自動でおすすめのサーバーを選んでくれる機能を使うか、お住まいの国や近くの国のサーバーを選ぶと良いでしょう。
接続ボタンをタップ(またはクリック)すると、VPN接続が開始されます。接続が確立されると、「接続中」「保護されています」といった表示に変わるはずです。
これで、そのデバイスからのインターネット通信はVPNによって保護された状態になります。
【補足】デバイスごとの利用に関する注意点
- パソコン: パソコンを起動したときに自動的にVPNに接続する設定にしておくと、つけ忘れを防げて安心です。
- スマートフォンやタブレット: アプリによっては、Wi-Fiに接続したときだけVPNをONにする、特定のWi-FiではVPNをOFFにする、といった細かい設定ができる場合があります。公共Wi-Fiをよく利用する場合は、Wi-Fi接続時に自動的にVPNをONにする設定にしておくと便利です。また、VPNを常にONにしていると、わずかですがバッテリーの消費が増える可能性があることも覚えておいてください。
より簡単に!ルーターでVPN接続する方法(応用編)
一部のVPNサービスや、高性能な家庭用ルーターには、ルーター自体にVPNを設定できる機能があります。この方法を使うと、一度ルーターにVPNを設定するだけで、そのルーターに接続している全てのデバイス(パソコン、スマホ、ゲーム機など)が自動的にVPN接続を利用できるようになります。
家族のデバイスが非常に多い場合や、ゲーム機などVPNアプリをインストールできないデバイスでもVPNを使いたい場合に便利な方法ですが、ルーターの設定は少し専門的な知識が必要になることがあります。
まずは今回ご紹介したような、各デバイスにアプリを入れて設定する方法から試してみて、慣れてきたらルーターでの設定も検討してみるのが良いかもしれません。
VPNを使っているか確認するには?
VPNに接続したつもりでも、本当に接続できているか確認したいと思うかもしれません。いくつかの簡単な方法があります。
- VPNアプリの表示を確認する: 一番簡単な方法は、VPNアプリを起動して、接続状態が「接続中」や「保護されています」となっているか確認することです。
- IPアドレスを確認する: インターネット上では、あなたのデバイスには「IPアドレス」というインターネット上の住所のようなものが割り当てられています。VPNに接続すると、このIPアドレスがVPNサーバーのものに変わります。IPアドレスを確認できるウェブサイト(「IPアドレス 確認」などで検索すると見つかります)にアクセスしてみて、表示されるIPアドレスがVPN接続前と変わっているか確認する方法もあります。ただし、この方法で表示されるIPアドレスは、必ずしもあなたが選んだ国のIPアドレスになるとは限りません。
まとめ
家庭にあるパソコン、スマートフォン、タブレット。それぞれのデバイスでインターネットを安全に使うことは、ご自身のプライバシーを守り、そして何より大切なご家族、特にお子さんをオンライン上の危険から守るために非常に重要です。
VPNを使うことで、これらの様々なデバイスからのインターネット通信をしっかりと保護し、安心してインターネットを利用できる環境を作ることができます。思っていたよりも、アプリを使って簡単に設定できると感じていただけたでしょうか。
一つのVPN契約で複数のデバイスを守れるサービスを選べば、コストを抑えながら家中の、そして外出先でのインターネット利用の安全性を高めることができます。
今回ご紹介した方法を参考に、ぜひ家族みんなのデバイスにVPNを設定して、安心できるインターネット環境を整えてみてください。それが、快適で安全なオンラインライフへの大切な一歩となるはずです。